6 Aug 2011

「お金と幸福のおかしな関係」


私たちは豊かになっているのになぜ幸せになれないのか?

上の問いかけに始まり、著者は収入と幸福の関係について分析。
先進国の人々がお金を稼ぐことに関して非常に長けているにもかかわらず、
稼いだお金を自分の幸福のために使うことについてはいかにアマチュアであるかを解き明かす。

著者は幸福を阻む原因として以下を提示。

①ステータス・トレッドミル
  人々は社会の中での相対的な立場にしか顧慮しない
②要求・トレッドミル
  収入が増えるほど要求も増える
③マルチオプション・トレッドミル
  選択肢が増えるほど選択の苦悩は増し、理想的な決定が不可能になる
④時間節約・トレッドミル
  技術進歩による時間節約は日常の集中化を招き、ストレスを増加させる

もちろん著者はパイを増やすための経済活動(競争・革新・成長)が必要であることも認めている。
そのうえで、いかに極端な資本主義と禁欲主義の中道を選択し、「人間として幸福に生きるか」についての戦略を与えてくれる。

生きること(※目的ではない。なぜなら生きる目的は生きること自体にあるから)について再考を促される一冊。