28 Dec 2012

差異と差別


こんなニュースがあった。

「アジア人になろう」顔写真加工アプリ、アジア系米国人が反発

記事によると・・・
目を細くしてナマズひげを生やし、円錐(えんすい)形の麦わら帽子をかぶればあなたもアジア人――。そんな顔写真加工アプリが米グーグルのアプリ配信サイトに投稿され、アジア系米国人の反発を招いている。
問題のアプリ「Make Me Asian(アジア人になろう)」は、「たった数秒で中国人、日本人、韓国人、それにどんなアジア人にもなれる」というのがうたい文句。ほかに肌の色を濃くしてペインティングし、羽飾りを付けて「アメリカ先住民になれる」というバージョンもある。
ただのおふざけなんだろうけれど、人によってはあまり良い気がしないでしょう。

よく、非アジア人が目を横に引っ張って細くし、アジア人のジェスチャーをして「Racist!」と怒りを買う場面がある。
もちろん、相手側に見下す意図があればそれは許されるべきではない。でも人種や民族の差異・特徴を表現することが、必ずしも人種差別につながるとは思わない。

例えば、トルコに来てからアジア人の特徴(特に切れ長の細い目)について言及されることが多い。でも、多くの場合相手は好意的な意味で使っている。細い目の可愛い赤ちゃんが欲しい、など。

そういう好意的な物言いに対して侮辱と感じる人の反応の裏には、その特徴に対して自分が自信を持っていない、もしくはそれが劣っていると考えているということがあるのかな、と思う。

一般的には「目がパッチリしている」「背が高い、足が長い」などがキレイもしくはかっこいいの特徴
だけれど、皆が皆そう感じるわけではないし、自分の外見的特徴に誇りを持っていれば、相手がどんな言い方をしてこようと気にならないわけで。
(まぁそういう自信を持つことは難しいとは分かっているけれど。)

違う例として「けつあご」がある。(正式名称は割れ顎らしい)

外国人の男優さんに多いこの特徴、海外では渋い男の象徴(?)として、顎を割る手術もあるらしい。ちなみにWikipediaによると「割れ顎がドラマチックな雰囲気を演出している」そう。笑
でも日本ではこの特徴は笑いのネタにされたり、これをコンプレックスに感じ、治療のための美容整形もある。

要は、自分が他人との差異をいかにポジティブな特徴として捉えるか、なのだと思う。

補足:
日本人や東洋人の場合、歴史的に草食だったため、一般的に『咀嚼筋』の発達が不十分であることから、けつあごになりにくいらしい。ただ、日本人も食事が欧米化し、肉を多く食べるようになったことで、体形が欧米化してきていることと同様に、咀嚼筋が発達し、けつあご化することもあるよう。

女性の場合は皮下脂肪が多いため、皮下脂肪でカバーされてけつあごが目立たないらしいけれど、間違ったダイエットや痩せすぎなどで女性ホルモンが減りすぎてしまうと、ホルモンのバランスが崩れてしまい、男性化が進んでけつあご化してくる可能性もあるらしいです。


そもそもけつあごって名称もよくないけれど!笑

15 Dec 2012

「人間失格」

恥の多い生涯を送って来ました。

言わずと知れた太宰治の名著「人間失格」。太宰自身の生き様を色濃く反映したと言われている本書は上の書き出しから始まる。

主人公、大庭葉蔵は周囲の前ではおどけた顔を見せ、本当の自分を誰にもさらけ出す事の出来ない男。自分を偽り、他人を欺き、過ちを犯し、ついには「人間、失格」の判定を自らに下す。

太宰がこのような人生を歩み最後は入水自殺を図ったこと、それよりもこの小説が1948年の発行後未だに名著として受け継がれ、映画化までされていることが凄いと思う。

即ち、この暗澹とした小説に深い共感や衝撃を受ける読者がそれだけ多いということ。

人間誰しも内面には闇の部分を抱えていると思う。それを普段表出することができないから、このような小説に救いを求めるのかもしれない。