30 Nov 2012

もしも生まれる場所を選べるなら?

日本のパスポートは最強、というのはよく聞く話。(正確にはこちらに書いた通り、世界第5位)

では、どこの国に生まれたら一番幸せなんだろう?
そんな調査がThe EconomistのThe lottery of life(人生を決めるルーレット)という記事に載ってました。

130か国における「人生の満足度」を比較するため、11の指標―GDP、生活コスト、平均寿命、教育などによって評価。Yawn Index、即ち、その国がどれだけ退屈かという面白い指標もありました。

で、その調査結果が以下。

北欧圏やシンガポール、香港の住みやすさはよく話題になるので納得できる。でも日本が予想以上に低い…!
ちなみに1988年に行われた同様の調査だと、米国が1位で日本は5位。生活コストや経済界のリーダーの不足(この指標が必要かは疑問だけれど)が特に足を引っ張っていたよう。

今回の調査における、各指標の詳細ポイントは公表されていなかったけれど、日本がなぜこんなに低いのか、ちょっと残念です。

10 Nov 2012

「置かれた場所で咲きなさい」

たまたま会社の先輩から送られてきた一冊。
他人に薦められなければ多分手に取ってなかったでしょう。最近「○○しなさい」というタイトルの本が多すぎてかなり食傷気味だったので…(おそらくその方が注目を浴びるという出版社側の意図なんでしょうが、これは日本人が全般的に誰かに指示されたいという願望を表しているのだろうか・・・)

著者は渡辺和子さんという、ノートルダム清心学園の理事長を務める方。修道者としてアメリカで修練を受け、30代半ばという若さでノートルダム清心女子大学の学長に就任したとのこと。

その多彩な経験を基に、人生において非常に重要な教訓を、とても柔らかい口調で語りかけてくれるのが本書。どんな世代にもお勧めできる1冊です。
以下、心に残ったフレーズをいくつか。

・神は力に合わる試練を与えない。
→どんなに現実でも、それが変わらないのなら悩みに対する心の持ちようを変えてみる。

・きれいさはお金で買えるが、心の美しさは変えない。
→神聖な心は自分との闘いによってのみ得られる。

・苦しいからこそ、もうちょっと生きてみる。
→生きようとする覚悟、そして笑顔は人に力と勇気を与えてくれる。

・順風満帆な人生などない。
→思わぬ不幸や失敗から本当に大事なことに気付くことができる。

・自分のいのちに意味を与える。
→家族、友人、他者への愛は生きる原動力。

・一生の終わりに残る物は、我々が集めたものではなく、我々が与えたものだ。
→謙虚になることが成熟の証。

・老いは人間をより個性的にするチャンス。
→人間関係を「量から質」に変え、自分を豊かに。「老い」を意識するとき、人はより柔和で謙虚になれる。

22 Sept 2012

脱・直訳英語!

どうやったら英語が上達するの?と聞かれることがある。
帰国子女じゃないのにTOEIC満点というのが信じられないらしい。

(そもそもスピーキングもライティングもないTOEICが本当の英語力を反映しているとは思えないけれど…そして帰国子女じゃなくても留学経験がなくても英語がネイティブ並な外国人はたくさんいるけれど…)

で、考えたところ、語学学習に対する発想の転換が自分の中では大きなターニングポイントだったかと思う。

それは、日本語から直訳しようと思うな!ということ。

誰しも最初は母語をベースに外国語を学ぶと思う。でも、基礎的な単語や文法を覚えた後は、その言葉の構成に沿って学習を進めるべき。なぜなら、言葉は社会的・文化的背景に基づいて作りだされたものであり、ある人々が“世界をどう区切っているか”の指標だから。

だから、必ずしも母語に置き換えることができない表現があるのは当たり前のこと。それを無理矢理直訳しようとするから、混乱するのだと思う。

代表的なのは「I miss you」という表現。
外国では一般的に使われているけれど、日本語だとイマイチ当てはまる表現がない(そして日本語を学習している外国人に、これ日本語で何て言うの?と聞かれて一番困る表現…)。ニュアンスが近いのは「あなたがいなくて寂しい」「愛おしい、会いたい」などでしょうか。でもちょっと違う感じ。

こういう場合、直訳しようとするのではなく、その表現が使われてる場面・文脈・話者の感情を読み取り、その言い回しを自分のものにしちゃうのが一番だと思う。使っているうちに、適切な用法が身についてくるはず。

日→英の転換も同様で、「お疲れさま」などはなかなか適切な表現がないので、その場面に応じてネイティブが使う表現を真似っこするのがベスト。最初は丸暗記でも、徐々に自分の表現になってくるもの。

尚、英語とスペイン語など、近い言語については直訳もかなり可能だと思う。そもそも日本語と英語はかけ離れた語族に属するので、母語を土台とした考え方から抜け出そうというのが主旨。

日本語と起源が近いと言われているトルコ語であれば、語順や主語の省略など日本語をベースに理解しやすいことは多いです。

8 Sept 2012

天国に行けるから犯罪は許される?

The Economistで面白いデータが紹介されていました。

The Devil's in the deterrent (悪魔の抑止力??)

オレゴン大とカンザス大の教授によるこちらの研究に基づき、67ヶ国の犯罪率と宗教信仰の傾向(天国/地獄の存在を信じているか)の相関性を調査したもの。

下のチャートが示しているのは
縦軸:犯罪率に関する標準偏差(67ヶ国の平均値との差)
横軸:天国の信仰率マイナス地獄の信仰率



面白いのは、天国を信じている人が多い国(ベネズエラ、コロンビア、ブラジルなど)ほど、犯罪率が高いということ。
いつかは赦されるという感覚が犯罪に対する枷を外しているということでしょうか。

まぁでも人間が弱い存在である以上、ネガティブな行為に対してアメとムチのどちらが効果があるかと言われればやはりムチ(=地獄、刑罰)なのかもしれません。

調査した国全体で見ても、天国の存在を信じている人の割合が多いようです。あまり宗教には詳しくないので、天国と地獄の存在は対として認識されているものと思っていましたが、全然そんなことはないんですね。

31 Aug 2012

トルコ島めぐり③:Marmara Adasi

最後は、こちらの連休を利用して3泊4日で行ったMarmara Adasi(マルマラ島)
イスタンブールからはフェリーで約3時間半。




マルマラ島は、ローマ時代に隆盛を極め、ビザンチン帝国からオスマン帝国の時代には、地元で産出される大理石で大いに栄えたそう。ここで取れる大理石は、帝国の建築物に使われましたとのこと。確かにトルコの大理石はブルーモスクの入り口など、至るところで使われています。

宿泊したのは家族経営の民宿風ホテル。ビーチから10分以内、手料理もおいしく閑静で素敵な宿でした。

ビーチは本当に綺麗&小さな島なので観光客も少ないです。




海辺のレストラン。


魚を求めて集まってくるネコたち。




へちま。多くはランプとして使われます。


花々や植物も生き生き。




オリーブの木があちらこちらに。



イスタンブールから数時間で行ける島はたくさんありますが、その中でも特に静かで、ゆったり過ごしたい人にはおススメの場所です。

25 Aug 2012

アメリカで働く

日本の労働市場の縮小が海外インターンやボランティアの普及と相まって、今ほど海外で働くことが注目されている時代はなかったのではないでしょうか。(ちなみに私は運よく?3年目で海外駐在に出ることになりましたが、周囲を見ていても初駐在の年次はどんどん低下している印象です。)

おそらく一昔前であれば、日本の大企業(商社やメーカー)に入りそこで5~6年経験を積んで海外駐在、というのが決まったパターンだったのかもしれませんが、最近では直接海外の企業へ飛び込む人も多いようです。

しかし、ただでさえ言葉のハンデがある多くの日本人にとって、いきなり海外の企業にチャレンジするのは相当ハードルが高いはず。

一体どんな人が成功しているのか…?と思っていたところ、良い記事を見つけたので紹介します。

アメリカ就職において最も重要な8つの要素

記事で紹介されている三浦雅人さんは高校を自主退学後、米国留学を経て、シリコンバレーを拠点としWebサイトデザインなどコンサルティングを手掛けるbtrax社にてインターンとして採用される。

彼の言葉で印象深かったのが
日本人が他のアメリカ人の方達と同じ方法で戦っても多くのハンデを負う上にレッドオーシャンになってしまうので、「バイリンガルマーケット(例え英語がビジネスレベルでも)」+「アメリカ人達と渡り合うことの出来る技術スキル」+「誰にも負けない何か一つの分野に対する情熱」、という3つの軸を持って挑むのがベスト
 「待つな。」これは僕の大学が行う就活講義で、学生達へ一貫して伝えられるメッセージです。…この「待たない姿勢」を理解することは、アメリカの就職活動文化を正しく理解することでもあります。またそれは日本の就職活動と全く異なる側面でもあるため、日本の感覚だけで進めようとすると失敗する可能性が高い
どうせ明日死ぬかもしれず、数十年しか続かない人生であれば、周りの声に耳を貸さずに、自分の心の奥深くにある声に耳を傾け、その欲求へ素直に従う生き方もいいと思う
 如何に他者と自分を差別化し、そのためのスキルや経験を積み、積極的に気概を持って行動するか、が海外就職では重要になるのかと思います。

特に、日本の様に皆が一斉にリクルートスーツを着て就職活動、なんて方法はとても特殊だと思うので、彼のような経験談はとても参考になりました。

6 Aug 2012

トルコ島めぐり②:Bozcaada

1日お休みを取り、木曜の夜~日曜でIstanbulからバス&フェリーで約7時間の場所にあるBozcaada(ボズジャ島の意)に行ってきました。

場所は地図の左端↓


トルコ語ではBozcaada、ギリシャ語ではTenedosと呼ばれるこの島。
ペルシャ、ビザンツ帝国、オスマン帝国に支配され、現在はトルコ領となっています。

島の人口は約2,500人だそうですが、その半数以上がギリシャ系。島ではギリシャ正教が主流とのこと。


Istanbulから少ししか離れていないのに、日本のとは比べ物にならないくらいの綺麗なビーチ。


エーゲ海は本当に美しい…が、夏でも水は冷たい。


トルコの典型的な朝ごはん。
パンとジャム、オリーブ、トマト&キュウリ、卵が基本です。


へちまで作ったランプ。可愛い。


街並みも可愛い。


島の主産業はワインの醸造。


丘の上には風力発電所も。


週末でこんな素敵な島に遊びに行けるのは、本当にIstanbulの醍醐味だと思います。