(2009/10/08) 池井戸 潤 |
<あらすじ> 主人公の平太は入社4年目にしてゼネコンの「談合課」に異動となり、談合が常態化している現実を知る。 正攻法でない入札の形態に違和感を覚えつつも、談合を排せない業界の性質に染まらざるをえない。 それにより、社会に出て別の道を歩み始めた銀行員の彼女とも、次第にすれ違うようになる。 そんな折、2000億円という大型の地下鉄工事案件が公示される。今回も談合にて応札企業が決定してしまうのか…。
談合という一見とっつきにくいテーマですが、主人公が理想と現実の狭間でもがく姿は非常に共感しやすく、 建設土木業界に詳しくなくとも楽しめます。
また、業界独自の慣習・考え方に染まってゆく主人公、そしてその彼女が別々の道を歩み、 徐々に心が離れていく描写が非常にうまい。(彼女は素敵な先輩バンカーに心移りしていく…) そして、ラストの展開はやはり読者を唸らせるものがある。一読の価値あり、です。