1 Sept 2011

グーグルとトヨタ

昨日の投稿と関連性のある記事を見つけたので備忘録まで。

9月17日付週刊東洋経済に掲載の野口悠紀雄「日本の選択」、第14回“グーグルとトヨタは本質的に異なる企業”

google toyota

内容としては、グーグルとトヨタという製品は全く異なるが、国を代表する企業としての両社を比較することで、アメリカと日本の経済構造の比較検討をしているもの。

違い①利益の源泉
グーグル:これまで存在しかなったサービルとビジネスモデル。
     従い、必要なのは組織力ではなく個々人の独創的なアイデア。
トヨタ :確立された技術力及び現場における作業効率化
    (ジャストインタイム・システム、カイゼン等々)。
     独創性ではなく、組織としての地道さ、堅実さ、協調が必要。
※ちなみに現時点でのグーグル従業員数は3万人なのに対し、トヨタ従業員数は32万人)

違い②国家との関係
グーグル:為替や金利の影響を受けない収益構造の為、国の強さと企業の強さは関係していない。
     寧ろ、独占禁止法の観点から国とは敵対関係にあるとも言える。
     ただし、検索の基本である「リンクの多さによる順位付け」については
     前提条件として民主主義の浸透が必要。
トヨタ :典型的な「戦後産業企業」であり、国の経済政策に相互に影響している。
    (90年代後半からの自動車産業の為の円安政策はトヨタに空前の利益をもたらした。
     一方で、経済危機後の円高状況下では利益は急減している。)

グーグルの株価は経済危機にて一旦落ち込んだものの、既に持ち直している。
翻ってトヨタは“超円高”及び新興国自動車メーカーの追い上げという厳しい環境に置かれている。
今後トヨタが生き残る為には、国に頼らず、消費者へ新たな価値の提供をしていく必要がある。