7 Feb 2011

転機

先週、先々週と入札準備で仕事がたまりにたまり、文字通り身も心もボロボロになっていた最中、自分のキャリアにとって大きな意味を持つ話が舞い込んできた。
こんな忙しい時にそんな話を持ってくるなよ、と正直上司をかなり恨んだ。決断を下すまで悩んでいる余裕すらほとんどない中で、あらゆる可能性を考慮し、自分なりに結論を出した。勇気のいる決断ではあったが、チャンスを生かすため最大限努力したいと思う。

今回の一件を経て、ある一人の上司が本当に尊敬できる人だということを再確認した。商社の仕事は人が全て、とよく言われるが、そんな中で心底信頼できる人と出会えたのは本当に幸せだと思う。人間は基本的に利己的であり、自分のことが一番大切だ。だからこそ、追いつめられたときや重大な局面に陥った時、その人の真価が問われる。
その上司は自身も大きな決断を下す必要があったにも関わらず、私の今後についても真剣に考えてくれた。戦略的なアドバイスをくれた。何より、理解を示してくれた。

そんな人との出会いがあるからこそ、頑張ろうと思えた。

6 Feb 2011

「息もできない」

愛を知らない男と、愛を夢見た女子高生。
傷ついた二つの魂の邂逅。



ヤン・イクチュン監督、主演の「息もできない」(Breathless)を鑑賞。家族や暴力を中心に、不器用でひねくれた生き方しかできないヤクザと、同じく心に暗闇を抱える女子高生を描いた作品。
おそらく人間誰しも心の奥底にはどろどろとした不気味なものを抱えていると思う。この作品はその部分について語ることで、観る者の人間としての核心に訴えかけてくる。そういう意味で、キム・ギドク監督の「悪い男」なんかと非常によく似ている。

概して韓国映画は非常に人間的で心を揺さぶるような類の作品が多い気がする。それはやはり韓国の歴史や文化、社会的背景が大きく影響しているのだろう。今回の作品の背景についても、ヤン監督はこう述べています。

「韓国の歴史的な背景を見たとき、“国”が私たちの父親や母親の世代の心に傷を負わせてきたという認識があったんです。父親は国の発展のため、家族のことは二の次でお金を稼ぐ機械のように扱われてきた。じゃあ、母親はどうだったかというと、小学校までしか通っていない人も多く、子どもを教育する余力がない。それでも母親には子どもたちと一緒に暮らしている一体感がありますが、父親には家族との意志の疎通がなく、かといって外に行っても確固たる地位があるわけじゃない。でも、国の復興という大義名分のために働く必要がある、そういったゆがんだ家族像が、実は韓国では広く見られるんです。となると、当然いろいろなトラブルが起きますよね? 私もそういったひずみの真っ只中を生きてきて、もやもやしていたんです。」

社会や家庭などあらゆるコミュニティーにて生まれうる“ひずみ”。人間としてこの暗い部分に目を向けるのは時として非常にツラい。だからこそ、このような作品は観る者の心を揺さぶり目をそむけてはいけないと迫ってくる。そして、そういう作品に出会えることは非常に幸せだと思う。

22 Jan 2011

「絶対貧困」


絶対貧困絶対貧困
(2009/03/24)
石井 光太

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1日1ドル以下で生活する人々と寝食を共にした石井光太氏による、世界の貧困層の生活にスポットを当てた“リアル貧困学”講義。 

スラム生活者、物乞い、ストリートチルドレン、売春婦… 

彼らは毎日どのような生活を送っているのだろうか?ご飯は?仕事は?学校は?恋愛は?性生活は?出産は?葬儀は? 
本書では、以上の様ななかなか知りえることのできない、最貧民の生活事情が描かれています。 

多くの人は「貧困」と聞いても、自分とは全く別の世界で起きている問題だと思うかもしれません。 
しかし、そんな人にこそ本書はぜひ一読してもらいたいと思います。読み終えて「かわいそう」としか思わなくたって構わない。まずは同じ世界に生きる者として、関心を持つことが問題解決への第一歩だと信じているから。

16 Jan 2011

「The Social Network」

1月16日に行われたゴールデングローブ賞にて、Facebook創始者を描いた「The Social Network」が作品賞など4冠に輝いたそう。

ちょうどその1週間前、試写会にて映画を観てきたけれど、予想していた以上に内容は面白かったです。
Mark Zuckerbergの好きなことをとことん追いつめて新しいサービスを生み出していく姿が、非常にspeedyかつexcitingに描かれている。事実に基づいた現在進行形の話なので、結末はどうなるのかな?と思っていたけれど、個人的には終わり方が一番好みでした。

ちなみに2010年、経済誌フォーブス誌が発表した「世界で最も若い10人の億万長者」の第1位に当時25歳の最年少でランクインしたようで、推定総資産額は約40億ドルだそう。。。

あとは主演のJesse Eisenbergが素晴らしかった。おそらくMarkよりもMarkらしいのでは?というくらいのはまり役で、すごい早口で感情を表に出さないギークっぷりが最高でした。(ただMarkの印象が強すぎて、次回作に恵まれるかは不明だけれど…)




え

12 Jan 2011

”Sexy as Hell”

Sexy as Hell by Sarah Connor



You're sexy as hell
gimme your love
gimme your love
while recording
gimme your love
gimme your love
i cant hold it back
you`re sexy as hell

i wanna sing about all the things
that we think about but is not happenin
i wanna take u to another place
wanna dance all night
wanna feel the bass
pumpin in my body now
somethin that will make me loud
dont stop till i scream it out
i cant hold it back

i m trippin because
i m cravin your love
u got me to sing
i want it want it
i m trippin because
i m cravin your love
u got me to sing
i want it want it

you`re sexy as hell
gimme your love
gimme your love
while recording
gimme your love
gimme your love
i cant hold it back
you`re sexy as hell

u need to make it stop
i m not allowed to touch
i want it way too much
your body and your mind
u do it everytime
u make me cross the line

you`re sexy as hell
gimme your love
gimme your love
while recording
gimme your love
gimme your love
i cant hold it back
you`re sexy as hell

9 Jan 2011

「アフリカ 動き出す9億人市場」



アフリカ 動きだす9億人市場アフリカ 動きだす9億人市場
(2009/07/14)
ヴィジャイ マハジャン

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アフリカ諸国をBRICsに続く「新たな市場」として捉え、これまでの「援助の対象」という価値観を一変させる一冊。

筆者によれば、インフラがないこと、物がないこと、マラリアが蔓延していること…それら全ては「障害」ではなく「ビジネスの機会」なのである。そのチャンスに目を向けを新たなビジネスモデルの構築に成功したのが、ユニ・リーバ、現代グループ、タタ・モーターズ、コカ・コーラのような企業であり、彼らは現在でもアフリカでの販路拡大を行っている。

その仮定でkeyとなったのが、先進国で当たり前と考えられている価値観、やり方に固執することなく、柔軟に発想を転換できたこと。C.K.プラハード著「ネクスト・マーケット」でも述べられているように、新興国には先進国の常識は通用しない。いかに、これまでの成功経験を活用し、同時に現地のやり方に適応していけるかが、命運を分ける。
本作は、アフリカでのチャンスを誇張しすぎている面もあるが、アフリカをマーケットとして捉える考え方が広がってきたことは国際開発の分野における大きな一歩と思う。

さて、日本の民間はどのような役割を果たせるのであろうか?

2 Jan 2011

「The Catcher in the Rye」

今年最初に読んだ本。Jerome David Salingerの「The Catcher in the Rye」
大学時代に一度野崎孝訳のものを読んだけど、今回村上春樹訳のものが新たに発行されたので改めて読んでみた。

ストーリーとしては、主人公の少年がボーディングスクールを退学になり、実家にもどるまでNew Yorkをぷらぷらするという内容で、起承転結や息を飲む展開なんかはない。それでもこの本がアメリカだけでなく全世界で読み継がれているのは、思春期独特の価値観や社会に対する反発を非常にうまく表現しているからなのかなと思う。特に、村上春樹訳のものは彼らしい表現方法が多く使われ、独特の世界観がすっと読み手の心に入り込んでくる。

こういう類の小説は、自分が歳を重ねるほど受ける印象が変化するんだろうな。映画「Stand by me」とかも然り。また数年後に読んでみよう。