4 Dec 2010

「ハーツ・アンド・マインズ」

先週末、東京写真美術館にて「ハーツ・アンド・マインズ‐ベトナム戦争の真実」を鑑賞してきました。


本作品は1974年アメリカにて公開され、翌年のアカデミー賞にて最優秀長編ドキュメンタリー映画賞を獲得しています。そして、その後制作された「地獄の黙示録」「プラトーン」等のベトナム戦争関連映画にも大きな影響を与えた、と言われているそう。(映画HP http://www.eigademiru.com/hm/)


内容としては、一般市民から政治家、帰還兵、大統領等、戦争に関わったあらゆる人々の証言を集め、実際の戦地での悲惨な映像とともにベトナム戦争の真実を浮き彫りにするもの。公開当時はやはり米国内で物議を醸したものの、ドキュメンタリーとしての質の高さに加え、過去人間が犯した愚かな過ちを記憶しておくという意味においても、非常に意義の高い作品でした。


1番印象に残った場面は、帰還兵が戦時中の行為を回想し、一通り話した後に言葉に詰まるシーン。沈黙にこそ彼の想いがすべて詰まっている気がしました。人は本当に想いが込み上げてきた時、沈黙せざるを得ないと思います。


ベトナム戦争ほど大規模なものではないにせよ、現在でも戦火を交えた争いが続いています。では、自分に何ができるのだろうか?何もできないかもしれない。
けれども、少なくとも過去の出来事を理解し、反省し、考え、伝えていく義務はあると思う。そんなことを考えされられた作品でした。