8 Dec 2010

「読書について」

ョウペン・ハウエル「読書について」。

この本の主旨は下記の文章に集約されていると思う。
「読書とは他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく。」

うーん、これまで新刊・古典問わず興味の赴くままに多読を重ねていた自分の読書習慣を反省。特に、書店で平積みされているような話題の新書については内容が薄いものも多いので、今後は量ではなく質を重視した読書を心がけようと思う。
尚、ハウエルによれば出版図書の9割が無用の悪書で、それらは書くべき事柄が先にあったのではなく「書くために書かれたもの」である。即ち、金銭が目的の執筆活動であると。

確かに、現在どんなに流行りの本でも今後次世代まで引き継がれていくものはほんの数パーセントにすぎない。人生の時間が限られている以上、いかに良質なものに触れられるかが精神の豊かさを決めると思う。(これは書物に限らず)そう考えると、やはり古典に触れることは非常に意義があるのだろう。

薄いながらも、エッセンスの詰まった良書でした。



読書について 他二篇 (岩波文庫)読書について 他二篇 (岩波文庫)
(1983/07)
ショウペンハウエル

商品詳細を見る