12 Jan 2012

「自分のアタマで考えよう」

月刊100万以上のページレビューを持つ、個人ブロガーちきりん氏。彼女が普段ブログで語るテーマは政治経済国際関係ビジネスキャリア等々広範囲に渡り、その独自の視点や感覚が人気になっています。そんな彼女が、そもそもどうやって情報を取り入れ、自分の思考としてアウトプットしているのか、その「思考の方法論」を解説したのが本書。


以下、備忘録まで参考になる数点を纏めました。


●「知識」と「思考」を混同してはいけない。
知識とは「過去の事実の積み重ね」及び他人の考えの結果であり、対して思考とは「未来に通用する論理の到達点」であり、知識をいったん思考の外に出した上で「自分の頭で考える」ことが重要。(P.20-21)
そして両者の最適な関係は「知識が思考の棚に格納されている」状態。即ち、日々入手する情報・知識をそれに基づいて考えたこと(思考)の棚に整理しておけば、次に関連する知識を手に入れた時、その情報の存在に気づき、その価値を判断し、有益な結論を導きだせるようになる。(P.237-P.239)


●考えるために役立つ分析手法は「縦と横の比較」。
縦=時系列比較=歴史的な視点で物事を見ること。
横=他者比較=国際的な視点で物事を見ること。
それによりある事象のあるべき姿への道筋が描けるようになる。(P.93)


●判断基準はシンプルが一番。
人が決定を下せないのは選択肢が多いからではなく、判断基準が多いから。従いまずは「目標の姿」を想定し、それを実現する為に判断基準に優先順位をつけることが重要。(理想的には2×2のマトリクスに絞り込むこと)基準をシンプルにすることで、物事の本質が見れるようになる。(P.131)


●自分なりの「フィルター」を持つこと。
与えられた既存のフィルター=選択基準に自分を合わせるのではなく、自分に必要な自分独自のフィルターを見出すこと。自分の志向は時として失敗から気づくこともあるが、いずれにせよ自分の頭で考えることが大事。
*************************************************************************


彼女の日々のブログの内容もそうですが、一つ一つの指摘が非常に本質をついており、且つ複雑な内容もすべて簡単な例や表現を用いている点が一番の人気の秘密だと思います。
インプット・アウトプット両方の質を高めるためにも、上記点を心に留め、日々思考力の向上に努めていきたいと思います。