1 May 2012

「アイデアのつくり方」

なにげなくアマゾンで見つけた「アイデアのつくり方」
著者は米国最大の広告会社、トンプソン社の最高顧問を務めた
ジェームス.W.ヤング。


アイデアをいかにひねり出すかという課題は、広告に携わる者だけでなく全ての企業人に突きつけられる課題だと思う。例えばiPhoneひとつをとってもジョブズ一人の発明(=アイデア力)だけでなく、製造・販売・宣伝のすべての過程において多数の人々のアイデアが混ざり合った結果、成功を収めたのだと思う。そう考えると、どのようにして良いアイデアは私たちの頭に舞い降りてくるのかは誰もが知りたがるところだろう。


それをたったの60ページ(日本語版)で解説してくれているのが本書。
著者が提唱する方法はいたってシンプル。
まずはアイデア作成の基礎をなす下記2つの原則を知ること。
①アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということ
②既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きいということ
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ところで、①の“新しい組み合わせ”という言葉を見て、日本総合研究所でBOP市場の研究を行う槌屋さんのブログにある次の文章を思い出した。
“多くのBOP向けに利用されている技術が・・・新しい組み合わせを作り出すことで再利用され、再加工され、新しい価値を生み出している。・・・組み合わせを刷新するために求められたものは、二つのかけ算項目の間を調整する力であり、一つではなく複数で作り上げる過程である。つまり、新しい組み合わせを作り出すために必要なプロセス、がイノベーティブであり、人を活性化させるのだ。”
BOPという新しい分野のビジネスにとっては、益々物事を効果的に関連づける力は重要になるのだろう。
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次に、著者は実際にアイデアを生産する5つの段階を紹介。
  1. 資料を収集(一般的資料+特殊的資料)
  2. 資料を咀嚼
  3. 問題を完全に放棄し、自分の想像力や感情を刺激することをやる
  4. ユーレカ(発見した!)の瞬間
  5. アイデアを具体・実践化

一見複雑なアイデア作りという作業をここまで単純明快に説明しているのは本当にすごい。このシンプルな法則をいかに心に留め、咀嚼し、日々の作業に適用していけるかが重要なのだと思う。