7 Oct 2011

あれから10年

2001年9月11日の同時多発テロ後、ビンラディン及びアルカイダの引き渡しを拒否したタリバン政権に対し、NATO軍が攻撃を開始してからちょうど10年が経ちました。(詳細はアフガニスタン紛争へ。)

今年5月2日にパキスタンにてビンラディン氏の殺害が発表されたものの、アフガニスタンの治安は全く改善していません。

人間はかくも愚かで弱い存在です。一方で、喜びと愛情を分け合える素晴らしい側面も持っています。
そんなことを考えさせられる、1枚の写真を紹介します。(元の記事はこちら


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戦争とは何なのでしょうか?

デモクラシーとは何なのでしょうか?

同じ地球に生きるものとして、向き合い続けなければならない問いです。

Think Different

昨日の投稿に関連し、素敵な動画を見つけたので紹介します。
"Think different"のCMです。

Here's to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. 
The round pegs in the square holes. The ones who see things differently. 
They're not fond of rules, and they have no respect for the status quo.
You can quote them, disagree with them, glorify and vilify them. 
About the only thing you can't do is ignore them because they change things. 
They push the human race forward. 
And while some may see them as crazy, we see genius. 
Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.


<邦訳>
クレイジーなやつらがいる。 周囲の環境に適さない者、反逆する者、ごたごたを起こす者たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る者たち。
彼らは規則を嫌い、 現状なんか無視する。
彼らに心を打たれたり、反対したり、賞賛したり、けなしたりすることはできる。
でも一つだけできないのは、彼らを無視すること。 なぜなら彼らは物事を変えたから。
彼らは人間を進化させたのだ。 
そして彼らはクレージーと言うやつらもいるが、我々は彼らを天才だと思う。
なぜなら、自分が世界を変えられると本気で信じてるやつこそが本当に世界を変えているのだからね。

6 Oct 2011

"The Magician"

あえてThe Economistと同じタイトルにしてみました。

10月5日、Apple社共同創設者の一人であり、刺激的な製品で世界中を魅了してきたSteve Jobs氏がご逝去されました。
カリスマ、独裁者等々、彼の型破りなビジネススタイルや言動に対しては賛否両論ありましたが、彼が発信してきたメッセージは強く心に響いたのを覚えています。Stanford大学でのスピーチはあまりにも有名ですが、Slideshareにも素敵なコンテンツがあったのでご紹介。

iMentor Steve Jobs
View more presentations from Coach Bay


①Follow your heart - やりたいことをやる 

"Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. 
仕事というのは、あなたの人生の大半をしめるものであり、仕事で満足を得る唯一の方法はあなたが素晴らしいと思える仕事をすることだ。そして素晴らしい仕事をするための唯一の方法は、あなたの仕事を愛することだ。もしまだ見つかっていなかったとしても決してそれに甘んじず、探し続けることだ。" 

②Make a dent in the universe - 偉大なことを成し遂げる 

"Being the richest man in the cemetery doesn’t matter to me … Going to bed at night saying we’ve done something wonderful… that’s what matters to me.
死んだ後に大富豪になることに興味はない。ベッドで眠るときに素晴らしいことを成し遂げた、と言えることが私にとって意味のあることだ。" 

③Thinks different - 異質であれ 

"Kick start your brain. New ideas come from watching something, talk to people, experimenting, asking questions and getting out of the office!
脳みそをフル回転させろ。新しいアイデアは何かを観察することや人と話すこと、実験、質問をすること、そしてオフィスから出ることから生まれる!" 

④Sell Dreams, Not Product - 製品ではなく、夢を売ろう 

"Your customers dream of a happier and better life. Don't move products. Enrich lives. - 顧客はより幸せでよりよい人生を夢見ている。製品で感動させるのではなく、彼らの人生を豊かにするのだ。" 

⑤Make products for yourself - 自分のための製品をつくろう 

"We think Mac will sell zillions, but we didn't build the Mac for anybody else. We build it for ourselves. We were the group of people who were going to judge whether it was great or not. We weren't going to go out and do market research. We just wanted to build the best thing we could build.
Macの大ヒットは間違いない。しかし、私たちはMacを彼らのために作ったのではなく、私たちのために作ったのである。私たちは素晴らしいかいなかが判断基準の組織であり、マーケットリサーチなどしない。私たちはただ私たちのできる最も素晴らしいものを作りたかっただけなのだ。" 

⑥Say No to 1,000 things - 無駄なことはするな 

"It's only by saying no that you can concentrate on the things that are really important.
重要なことに集中する唯一の方法は、Noということだ。" 

⑦Keep it simple - シンプルであれ 

"That's been one of my mantras -focus and simplicity. Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean and simple. But it's worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
集中することとシンプルであることは私の信念である。シンプルであることは複雑であることよりも難しい。思考を整理し、シンプルになるまで考えぬかなければならない。しかし、それにはものすごい価値がある。もし、それを達成することができれば、山をも動かせる。" 

⑧Go for Excellence - 卓越せよ 

"Be a yardstick of quality. Some people aren't used to an environment where excellence is expected. - 
質を担保する存在となれ。中には、高い質を求められる環境に慣れていないものもいる。" 

⑨Break the rules - ルールに囚われるな 

"Here's to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square holes... The ones who see things differently. They're not fond of rules... because the ones who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.
クレイジーな人たちがいる。 反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。 なぜなら、彼らは自分が世界を変えられると本気で信じていて、本当に世界を変えているのだから" 

⑩You only live once - 人生は一度っきり 

"'If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?' And whenever the answer has been 'No' for too many days in a row, I know I need to change something.
もし今日が人生最後の日だとして、今日やろうとしていることをやりたいかと自らに問いてみたときに、"No"が何日も続くようであれば、何かを変えなければならない。" 

最後にもう一つ、大好きなフレーズを。

"Follow Your Heart, Don't Live Someone Else's Life"

RIP.

サムライバックパッカー

昨日、世界一周中の太田英基さんにお会いしました。
太田さんは中央大学在学中の2005年に、学生向けの無料コピーサービス『タダコピ』を展開する株式会社オーシャナイズを創業。同社の取締役を退任された後、現在は世界を一周するサムライバックパッカープロジェクトを敢行中です。


このプロジェクトの目的は、旅を通じ海外で活躍する日本人(サムライ)を取材、彼らの働き方を発信することにより日本の若者へ“グローバルな生き方”に対する気づきを与えるというもの。(詳しくはこちら
また、彼はなるべくカウチサーフィンを使い、現地の人や他のバックパッカーと交流しながら、日本や世界で起きている問題に対する自分の考えをコラム発信しています。

実際に彼にお会いして感じたことは、心底明るい方だという事。

海外に一人で出ていき、現地で働く人(それも日本企業の駐在員ではなく、起業している人や外国機関やNGOに勤めている人)を人づてに見つけ、取材を申し込むというのは相当根気のいる仕事なはず。実際、なかなか見つからない国もあるみたい。
これって、本当に人に会うのが好きで根明な人にしかできないんだろうなぁと思う。彼にはそういう意味での突破力というか、人を惹きつける天性の才能を感じました。

また、このプロジェクトを成り立たせているのがSocial Mediaの力。彼はFacebookやTwitter

(@mohideki)で最新情報を常に発信しており、ここから次の取材者を受けることも多いそう。


彼と話していて、また彼の紹介するサムライ達のストーリーを読んで思ったのは月並みながら、何かを成し遂げるのに不可能なことなんて何もないということ。多くの場合は自分が不可能にするための理由探しをしているだけ。
私も海外に一人で出ていき、色んな人に出会い、様々な生き方や考え方に出会ってきましたが、改めて自分のやりたいことや歩みたい人生の方向について再考させられました。(ちなみに一番のお気に入りはこの方の話。南米に行きたくなります。)

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最後に、ふと思い出した名言を。

Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.―Albert Einstein
                               
(失敗をしたことがない者は、
何も新しいことに挑戦したことがない。―アルバート・アインシュタイン)
                                




24 Sept 2011

Difference, Difference, Difference...

外国人との付き合いが増えるにつれ考えるのが、バックグラウンドが異なる人とどうコミュニケートするか、ということ。これについてふむふむ、と思う記事があったのでご紹介。

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2011年9月17日付週刊東洋経済に掲載の、北川達夫「わかりあえない時代の対話力入門」第115回“対話か破壊させるとき「同じ」ことの危険性”にて、北川氏は対話を破壊する要因として以下2点を挙げています。

①同じなのに違うこと
根本的に「違う」よりも、大体「同じ」ほうが、厄介。なぜなら相手が自分と「ほぼ同じ」だと「わかりあえる」ような気がしてしまう為、少しでもわかりあえないとひどく裏切られた気になってしまうから。

これ、非常に理解できます。外国人と話す時は「わかりあえない」ことを前提にしており、多少の誤解は気にならない。一方、日本人とのコミュニケーションでは少しでもわかりあえないと非常に違和感が生じる(相手側に。私はあまり気にしないけれど…。これはコミュニケーションのベースとしての「協調・共感」に重きを置く人ほど、この傾向は強い。例えば、周りのみんながカレーを頼んだら迷わずカレーを頼む人など。)

②違うのに同じこと
「違い」を知ることは必要だが、完全に「同じ」になってはいけない。さもないと強烈な嫌悪感に遭遇することになる、とのこと。

例えば、外国人が日本に住む場合、日本文化に関心を示せば日本社会では受け入れられ易いが、一方で日本人に同化(特に気持ちだけ)してしまうと、相手に嫌悪感を与える。よそ者としての分をわきまえていることが重要。

これは実感したことがないので、いまいちピンとはこないけど、受け入れる側の問題なんだろうなぁ。特に日本人のように文化や人種、言葉の「違う」ものに慣れていない場合は、上記のような心構えが必要かもしれない。重要なのは、自分が相手と「違う」ことをきちんと認識した上で、「同じ」部分を探し(もしくは作り)両者のバランスを保ちながら対話を重ねていくことなんだろう。

3 Sept 2011

Favorite Scenery

毎朝通勤時に見る、世界遺産・イスタンブール歴史地区の風景。

左のアヤソフィア(由来はギリシア語のハギア・ソフィア/聖なる叡智の意)はキリスト教の大聖堂として360年に建立。焼失と再建を繰り返しながらも、東ローマ帝国時代、正教会第一の格式を誇っていた。1453年、オスマン帝国がコンスタンティノープル(現イスタンブール)を占拠すると、メフメト2世はこの大聖堂をモスクへ転換。十字架を取り外し、ミフラーブ(メッカの方向を示すくぼみ)・4本のミナレット※を加えた。キリスト教からイスラム教への移り変わりが分かる、世界でも稀有な文化遺産。

※モスクに付属する塔。一日5回の礼拝時刻の告知を行うのに使用される。現在はマイクとスピーカーを使っているけれど、昔は人が塔に登り祈祷者に呼びかけていたとのこと。

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右のスルタンアフメット・モスクは、オスマン帝国第14代のスルタン・アフメット1世によって1609年~1616年の7年と驚くべき短さで建立(通常は数十~百年かかる)。6本のミナレット、および内部の青を基調としたタイルが特徴的であり、世界で一番美しいモスクとも称される。

夏の間はライトアップも。

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夜、家から見えるボスポラス大橋。夏は花火も見える。

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こんな素敵な街に住んでたら、東京には戻れないなぁ…と思う日々。。。

1 Sept 2011

グーグルとトヨタ

昨日の投稿と関連性のある記事を見つけたので備忘録まで。

9月17日付週刊東洋経済に掲載の野口悠紀雄「日本の選択」、第14回“グーグルとトヨタは本質的に異なる企業”

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内容としては、グーグルとトヨタという製品は全く異なるが、国を代表する企業としての両社を比較することで、アメリカと日本の経済構造の比較検討をしているもの。

違い①利益の源泉
グーグル:これまで存在しかなったサービルとビジネスモデル。
     従い、必要なのは組織力ではなく個々人の独創的なアイデア。
トヨタ :確立された技術力及び現場における作業効率化
    (ジャストインタイム・システム、カイゼン等々)。
     独創性ではなく、組織としての地道さ、堅実さ、協調が必要。
※ちなみに現時点でのグーグル従業員数は3万人なのに対し、トヨタ従業員数は32万人)

違い②国家との関係
グーグル:為替や金利の影響を受けない収益構造の為、国の強さと企業の強さは関係していない。
     寧ろ、独占禁止法の観点から国とは敵対関係にあるとも言える。
     ただし、検索の基本である「リンクの多さによる順位付け」については
     前提条件として民主主義の浸透が必要。
トヨタ :典型的な「戦後産業企業」であり、国の経済政策に相互に影響している。
    (90年代後半からの自動車産業の為の円安政策はトヨタに空前の利益をもたらした。
     一方で、経済危機後の円高状況下では利益は急減している。)

グーグルの株価は経済危機にて一旦落ち込んだものの、既に持ち直している。
翻ってトヨタは“超円高”及び新興国自動車メーカーの追い上げという厳しい環境に置かれている。
今後トヨタが生き残る為には、国に頼らず、消費者へ新たな価値の提供をしていく必要がある。